最近テレビを見る機会が減ったのだが、やはりオリンピックは別格。
 確か前回は白黒テレビに写る、東洋の魔女二チボー貝塚とソ連の試合に固唾を呑んでいたし、初めて知ったウエイトリフティングの三宅、柔道のアントン・ヘーシンク、体操の遠藤、チャスラフスカ、100mのボブ・ヘイズなどに子供ながら心を奪われたことだろう。
 自分のように半ば隠遁している人間には疑問なのだが、なぜ今回オリンピックを無観客で開催したのだろう。 国立競技場も収容人数6.8万人ならせめて一万人程度は観客を入れても問題なかったのでは。
 一昨年末から、やむを得ず毎朝、電車で通勤する機会が訪れた。
 定年後は電車に乗るのは年数回ほどだったので、久しぶりのことだったが、コロナ禍の中、マスクをして、じっと息を殺し満員電車に揺られるのは苦痛以外のなにものでもなかった。 正直、コロナに怯えながらこの地にこだわって住む必要があるのか、こんな人混みの中にいるのは嫌だと心底思いながら窓の外の景色を眺めていた。
 冷静に考えて、あの満員電車と感染対策をした一万人の国立競技場なら喜んで後者を選ぶ。
 菅首相が提案したように、せめてパラリンピックだけでも有観客で出来れば嬉しいことだ。
 2022年北京冬期五輪まで、残り半年。 中共の実行力が有れば感染抑制など容易なこと。 有観客での盛大な開催を期待する。
 またぞろ再燃している武漢ウイルス研究所からの流出説で、米国がボイコットすることはまず無いとは思うが。
 幸いにも数ヶ月で自分の電車通勤は終わったのだが、更なる感染増の中やむを得ず通勤を続けている方々の苦労たるや想像にあまりある。
 それでも我慢強い日本人のこと、じっと耐えているのだろうが、さすがにここにきて、我慢の限界にきたのか緊急事態宣言の効果が出なくなってしまった。
 ただ、未だ医療崩壊と言える事態が起きていないのが救いだ。